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指摘にも言い方の工夫が必要
職場では、社内、社外に関わらず、誰もが失敗をしてしまうことはあるものです。それを見つけたら、もちろんそのままにしておくことは許されません。特に上司の立場の場合は、育成という意味で、修正や防止策を示唆しなければならないでしょう。しかし、ビジネス上の指摘が相手を傷つけることになっては本末転倒です。ここでは、相手を傷つけずにうまく指摘を表現する英語の言い回しをご紹介します。
間違いに対して使いがちな表現
指摘の際に一番心掛けたいのは、主語です。本人のミスであっても「YOU」を避けることで客観的に伝えることができます。誰が犯したミスかを問わない言い方です。修正策、改善策を探ることにも繋がります。また、修正することが助かるという表現を加えることで反感なく修正してもらうことに繋げることができるでしょう。
You made too many mistakes.
(あなたは間違いが多過ぎます)
↓
There are too many mistakes.
(間違いがたくさんあります)
It need to be proofread.
(チェックする必要がありますね)
↓
If you could fix them, it would be great!
(修正してくれたら、とても助かります)
Why did you do that?
(あなたはなぜそれをしたのですか)
↓
Why did it happen?
(なぜ、それは起こったのですか)
↓
It would be great if you could share me your solution.
(改善策をシェアしてくれると助かります)
Let'sでミスの共有意識を出す
Let's は「Let us」ですよね。当然、指摘している本人のことも含めて伝えることで、みんなで気を付けていきましょうという柔らかい表現に転換できます。自分の戒めとしても受け止める姿勢は大切です。
Don't do that again.
(二度とこんなことはしないように!)
↓
Let's avoid that in the future.
(これからは、これは避けるようにしましょう)
Let's not make this mistake again.
(このようなミスは二度とないようにしましょう)
仮定法で指摘を和らげる
大きなミスであった場合、強い指摘を行ってしまうと、ミスした相手の気持ちを下げてしまうことになります。その問題ごとよりも、自分の不手際に意識が集中してしまいます。それだけでは、今後のミスを防ぐという進歩に繋げることが難しくなるでしょう。
本人にも自覚が見られるようであれば、気持ちを上に向かせる配慮も必要です。このときの指摘としては、仮定法を使って「もっと注意すればよかったかも…」というニュアンスのほうが適していることもあるでしょう。
You made a big mistake.
(あなたは大きな間違いを犯しました)
↓
You could've been more careful.
(もう少し気をつけたほうがよかったかもしれません)
同じ指摘をするにも言い方次第で伝わり方は大きく変化するものです。相手を気遣いながらのコミュニケーションを心掛けていきましょう。
ファーストネーム?ラストネーム?
日本では上司のことを相当なに身近な間柄になっている以外は、必ず苗字でさん付けか、役職名を付けて呼ぶのではないでしょうか。ファーストネームで呼ぶ習慣がないため、英語のビジネスシーンでもなかなか馴染めないことがあります。でも英語では、ビジネスシーンでもファーストネームで呼び合うことは普通のことです。お客様の立場の具合によるということはあるかもしれませんが、同じ職場の上司に対しても、取引先の担当者に対してもファーストネームで呼び、ファーストネームで名乗り合ってお付き合いをしていきます。慣れておきたいところです。相手との距離感を示すこともあるので、慣れてくるとファーストネームで呼ばれないことを寂しく感じることがあるかもしれません。もちろん相手も同じことを考える可能性は高いですよ。
常時レディファースト
欧米の文化が浸透している場合は、お客様、取引先、上司部下に上下の関係は日本ほど重要視されません。特に女性は日本のおもてなしの精神で周りに接すると、戸惑うことが増えてきます。欧米の男性たちは、プライドとしてレディファーストを遂行するように叩き込まれていることが多いからです。丁度、日本人が相手を立てる行動をすることを重んじているのと同じです。ですから、たまにその思いやりがぶつかることがあります。シチュエーションを見極めて、相手のプライドを立てるという意味でもレディファーストをぜひ、スムーズに受け止めてください。例えば、ドアの開け閉め、エレベーターでの譲り合い、車の乗り降り、どこかの男性の社長さんに先に動くことを促されるかもしれません。そういうこともあるということを心に留めておきましょう。どうぞ、どうぞとお互いに譲り合うのは、当事者も見た目もあまり良いものではありません。
日本の丁寧さや敬意のスタイルは恥ではない
日本の相手を重んじるスタンスは決してマナー違反でも悪いことでもありません。英語の世界にも上下関係を意識しなければならないことはありますし、上下でなくても相手への思いやりや敬意は必須の要素になります。このことは日本よりも意識を強く持つ必要がある部分といえるでしょう。でも、敬意の表し方は明らかに日本とは異なります。何が敬意と取られ、何が失礼にあたるのかは十分に英語の文化、またはその国の文化を理解する必要があるでしょう。日本は、上座下座があったり、呼び方が異なったり、もちろん敬語でもその尊敬度を表していきます。英語は、人によって変化するというよりも、伝え方だったり、表情やしぐさだったりに気を掛けることが大切かもしれません。その点で日本人が無意識に外国の人たちを不快にさせていることは本当に多いのです。無意識だからこそとても損で残念なことです。無意識にやってしまう理由の一つは、それが日本では良しとされている習慣のことがあります。日本人にとってはエネルギーが必要なことも多いですが、英語習慣の遂行が相手への敬意と考えて、積極的に取り入れていきたいものです。コミュニケーションをスムーズにしていくための大切な要素です。英語のマナー(欧米)がまずはスタンダード、そして必ず個々の相手の文化や価値観を加味したコミュニケーションが取れるように心掛けてください。