身だしなみ

業績優等生が陥るマネジメント苦難

スポーツの世界で名選手と言われ、優秀な成績を上げていても、必ずしも監督としても優秀かというとそうではありません。逆に、独自のスタイルを確立しているほど、監督業はこなしにくいとも言われます。ビジネスの世界でも同じことが言えます。チームの歯車としてはとても優秀立った人でも、部下を持つマネジメント職になると一向に活躍できないということがあるのです。これは、その人が生粋のプレーヤーであることを意味しているでしょう。監督は直接試合には出ません。メンバーを決め、配置し、采配をするだけです。そこに技術は必要ないのです。ビジネスも、部下が選手でマネージャーは監督のようなものです。姿勢も必要となるスキルも異なってくるのです。

説得しないスキル

営業でも、販売でも、最終的にお客様に自発的な商品の購入やサービスの利用を促すことが目的になります。業務プロセスの中では、その情報収集も、接点も、商談の中での会話も、すべてお客様の興味や意欲を肯定化することに努めることで言葉ではない説得に至らせます。優秀な業績を出しているほど、そのスキルに長けていることになります。自然に身に付いたというよりも、優秀なプレーヤーは自分磨きをしているものです。このことがさらに自己確信を強めます。独自の経験とやり方が人よりも強固なのです。皮肉なことにマネージャーとなると、この自分への自信が邪魔になるのです。なぜなら、マネージャーには、技術に対する知識やスキルは必要ですが、それに対する自信は必要ないからです。

引き出すスキル

部下と話をする、指導する、相談に乗るといったすべての場面で、お客様に行うような説得のための接し方にならないように注意する必要があります。社内でこれを行ってしまうと部下は「言いくるめられた」ような気分で仕事をすることになります。マネージャーに必要なのは、自分への自信ではなく、部下への興味です。好奇心を持って、部下の経験やスキル、求めていることを理解していくことなのです。自分の意見や部下へのアドバイスはほとんどの場合必要とされません。すべての答えを、部下自身に委ねることで、能力も考える力も、技術もすべて身に付けることができるのです。

上手く引き出すスキル

マネージャーは部下のどんな意見や考えにもニュートラルなスタンスを保たなければなりません。気付きを促していくには、こちらの興味として問いかけて行くのが効果的です。何かがやりたいと言うなら、なぜそれをやろうと思うのか、それをやることでどうなるのか、そのためにどんな行動ができると思うかを聞くようにします。それが考え込まれたものでなければ、部下は、自分で根拠の弱さに気づいて、その場で諦めるかもしれません。しかし、そのように興味を持った聞き姿勢を続けていくと、意見の発信、もしくはやりたいことをやるためにはどんなことが必要になるのかを学んでいきます。次の提案の質を上げる可能性が高くなるのです。行動を許可したとして、進捗を確かめてみて思わしくない状況だったとしても咎めることはしません。今どれくらいのところなのか、何を解決すれば突破できると思うか、何を直せばいいだろう?と問いかけることで部下は考え方を学ぶことができるでしょう。

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