
敬語には「丁寧語」・「尊敬語」・「謙譲語」の3種類が存在しています。本稿ではその中で、自分の行動を控えめにする「謙譲語」についてその使い方を解説します。
目次
「謙譲語」とは
「謙譲語」は主に自分自身または話題の人を低くすることによって、相手及び話題の人に敬意を表すのに用いられます。自分を下げて相手を上にする、というイメージで利用されるのが「謙譲語」となります。
「謙譲語」の形としては、①「・・・ていただく」、②「・・・させていただく」、③「お・・・申す」、④「お(ご)・・・する」、⑤「ご・・・いたす」の5点がその代表的な表現となります。
主な謙譲語の表現
下記にビジネスシーンでよく使われる表現の「謙譲語」を記しました。
<動詞>
・行く→伺う、参る
・いる→おる
・来る→伺う、参る
・帰る→失礼する、おいとまする
・する→いたす、させていただく
・言う→申す、申し上げる
・聞く→伺う、拝聴する
・見る→拝見する
・見せる→お目にかける、ご覧に入れる
・読む→拝読する
・知っている→存じる、存じ上げる
・わかる→承知する、かしこまる
・尋ねる→伺う、お尋ねする
・食べる→頂戴する、いただく
・思う→存じる
・なる→なります
・持つ→お持ちする
・会う→お目にかかる
・書く→書き申し上げる
・電話する→お電話する、お電話いたす、電話いただく
・休む→お休みさせていただく
日常的に利用している動詞に5つの代表的な表現を重ねると、ほぼ「謙譲語」となります。「謙譲語」では「尊敬語」の「慣用表現」のように、別途覚える必要のある表現は殆どありません。「謙譲語」は時代劇で武士がお殿様に対して使っている言葉、というイメージで覚えると、分かりやすいかもしれません。
<名詞>
・会社→弊社(へいしゃ)、当社(当社)
・店→弊店(へいてん)、当店(とうてん)
・銀行→弊行(へいこう)、当行(とうこう)
・官公庁→当省、当庁、当署
・学校→当学(とうこう)
・新聞→弊紙(へいし)、小紙(しょうし)
・雑誌→弊誌(へいし)、小誌(しょうし)
・地位→小職(しょうしょく)
・意見→試験、愚見
・文書→弊信、書面、書中
・品物→寸志、粗品、心ばかりの品
・気持ち→微志、薄志
・本人→私、当方、小生、小職
・父→父、父親
・母→母、母親
・夫→夫、主人
・妻→妻、家内、女房
・息子→息子、せがれ
・娘→娘
代表的な名詞の「謙譲語」は上記となります。ただし一般的な名詞の「謙譲語」を列記しましたが、会社によって利用しない「謙譲語」も存在するので注意が必要です。代表例としては「小職」が該当します。元々国家公務員が利用していた「小職」という表現、民間企業での利用も広がりつつありますが、社歴の長い企業では「小職」という表現に違和感を感じる方もおられるようです。その会社で利用が適切かどうか分からない時は、先に入社している先輩に聞くのが一番です。
まとめ
日頃意識せずに利用している「敬語」。その中でも「謙譲語」に絞って、その使い方を解説しました。動詞は表現が一定であり、慣れればそれ程利用するのに苦労しません。一方、名詞は会社によって利用に違和感のある表現も存在するので、利用の際は事前に会社の先輩に尋ねて確認の上でご利用ください。
名詞で若干気を遣う必要のある「謙譲語」ですが、動詞は慣れてしまえば、自然と口に出てくるものです。難しそうに見える「謙譲語」、名詞の利用に気を付けながら、早めにマスターしたいものですね