見送りのマナー

来客との商談が終わっても、来客が会社を出るまでは気を抜いてはいけません。来客に気持ちよく帰ってもらえるように、丁寧な見送りをする必要があります。本稿では、商談が終わってから来客が帰るまでのマナーについて紹介します。

目次

部屋を出るとき

用件を切り上げるのは来客の役割です。約束の時間が過ぎても、こちらから退出を促す言動は失礼に当たりますので、相手が荷物をまとめ終えて立ち上がるまでは席を立たないようにします。すぐに立ち上がって案内ができるように、自分も書類などをまとめておきます。
商談が長引き、次の予定に間に合わなさそうな場合は「それでは、○○ということでお願いいたします」と話をまとめるなどして、不自然にならないように話を終わりにします。商談を終えたときには「本日はお越しいただきありがとうございました」のお礼の言葉を述べます。冬の場合は部屋を出る前にコートやマフラーを身につけてもらいましょう。
相手が立ち上がったら自分も立ち上がり、ドアを開けて来客を先に通します。案内のときと同じように来客の少し前を歩き、見送りの場所まで誘導します。
部屋を出てからは仕事の話はしないようにします。天気の話やニュースの話など、軽い雑談をするといいでしょう。

見送り

オフィスの作りや来客の重要度によって見送る場所が変わるので、事前に社内ルールを確認しておきます。一般的には、エレベーターホールまで、玄関口まで、車に乗り込むまでの3パターンがあります。
-エレベーターホールまで
1.ホールに着いたらボタンを押す。
2.エレベーターが到着したら、ドアを手で押さえるかボタンを押したまま「どうぞ」と手で中を示す。
3.来客が乗り込み、振り返ったら「本日はありがとうございました。失礼します」と深くお辞儀する。
4.ドアが閉まるまでお辞儀を続ける。
-玄関口まで
1.エレベーターが到着したら、人がいない場合は「失礼します」と言い先に乗る。人がいる場合は来客に先に乗ってもらう。
2.操作盤の前に行き、階数を押す。来客に背中を向けないように注意。
3.降りる階に着いたら、「開」のボタンを押し、来客を先に下ろす。「右でございます」などと、出口の方向を示すと親切。
4.来客の先に立ち出口まで誘導する。玄関に着いたら訪問のお礼を言い、深くお辞儀をする。
-車に乗り込むまで
1.玄関先まで案内し、玄関の外でお礼を言う。
2.車が見えなくなるまで深いお辞儀を続ける。

まとめ

見送りのポイントは以下の通りです。
-相手を急かさない
-お辞儀は最後まで丁寧に
来客の前後に予定を入れることは避けるべきですが、止むを得ず予定を入れる場合でも相手を急かすような行動をしてはいけません。具体的には、時計をちらちら見たり、書類をまとめたりする行為は急かされていると捉えられてしまいます。見送りの場所まで案内するときも、早足にならないように気をつけます。
玄関まで見送る場合には、来客が玄関から出てすぐ立ち去るのではなく、姿が見えなくなるまでお辞儀をしたまま見送ります。長くかかりそうなときは一度顔を上げてしまってもかまいませんが、その場合は来客が角を曲がるなどするタイミングでもう一度頭を下げます。
最後までおもてなしの心を忘れずに丁寧なお見送りを行えるようになりましょう。

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