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緊張感とプレッシャーのストレス
夢に見た会社にやっと入れて、念願かなって思い通りの仕事に就けたとしても、新入社員の時期というのは、緊張とプレッシャーの連続ですよね。誰に急かされたり、咎まれるわけでもないのに抱えているプレッシャー、まじめな人ほど感じるものではないでしょうか。たとえ、人見知りをしない人でも、毎日知らない人と会って、その人たちと仕事の話をしたり、業務を教わったりしていくのは、無意識にも緊張感があるものです。みんな同じと分かっていても、なかなか簡単にリラックスできるものでもありませんよね。まずは、自分が緊張感とプレッシャーにさらされているということを自覚することが大切です。こまめなリフレッシュやストレス対策で自分を守り、保つこともビジネスパーソンとしての務めのひとつです。
不安感からのストレス
分からないことがあるのは当たり前です。分からないこと自体は、それほど自尊心を傷つけることは無いかもしれません。問題は、それを分からないことを誰に聞けばいいのか、どう解決すればいいのかのほうに不安になってしまう人は多いものです。また、ひとつひとつのことに時間が掛かり過ぎて迷惑が掛かるのではないかと心配したり、挙句にうまくできなかったり、失敗したりすることが不安になることもありますよね。時間の大切さが分かっている人ほど、周りのスピード感にまだ慣れない時期によくあることです。予想していたことであれば、不安なことも心配なことも何とか超えられるかもしれません。不安感は立派なストレスなのです。自分がどういうことに不安で心配になっているのか、しっかり把握しましょう。それが先決です。また、失敗したときは、1秒でも早く上司や先輩など適切な人に伝えることがストレスを増大させないコツです。周りの人も失敗があることはある程度予測しているはずです。
問題がなくてもストレスはある
現実に起こることというのは、入社前に想像していた想定内のことばかりではありません。むしろ、想定外のことのほうが多いと言っても過言ではありません。ピーンと張り詰めた緊張感の中で、ストレスが溢れているのを感じることが大切です。ストレスは悪いものではないのです。感じられれば、まだ正常ですよ。涙が溢れてもいいじゃないですか。でも、誰にも見られないようにしましょうね。新入社員の時期というのは、失敗してなくても、問題になるようなことを起こしてなくても、ストレスを感じてしまうものです。あなたは、なにも悪いことをしていませんし、焦る必要もありません。
新入社員もセルフメンテナンスは必須
ストレスは感じていても、感じていなくても、自分にとってのストレス発散方法を習慣づけることが大切です。できれば、会社で5分とか10分とかで完了できるものをコツコツ増やしてみましょう。例えば、気の合う先輩や同僚とのおしゃべり、ちょっと席を外して1分だけ外の空気を感じられる場所を見つけたり。疑問も心配も不安も、聞いてみれば解決することはとても多いものです。独りで考えこまずに周りの意見を聞くこともストレスの軽減を助けます。そして、帰宅してからや休みの日には、仕事のことを忘れる時間を取りましょう。覚えたいことがあったり、楽しいと思っていても必ず、離れる時間を確保しましょう。結果的に、仕事のときのパワーに変えられるはずです。
心と身体と脳に影響
ストレスが一定レベルを超えてしまうと心や身体に変調が起きてくるということは皆さんが認識されているところだと思います。組織の中で仕事を進める時、そのひとりひとりの働きが組み合わさって進んでいきます。仕事の進行という側面から考えた時、企業は脳への影響について配慮していくことが実は一番大切なことなのです。もちろん、この心、身体、脳というのは密接に結びついているものですが、業務を行う上で必要なのは、記憶力、注意力、創造性、判断力、意思決定力などではないでしょうか。これらは本来、脳の管轄なのです。
脳と記憶の関係
何らかのストレスが掛かっている時というのは、気になることで頭がいっぱいになっています。何もしていなくても脳はフル回転していることになります。いわゆる飽和状態です。これによって、目の前の情報、不意に流れてきた情報、今まで行っていたことの情報などのすべてにおいて、記憶するだけの脳のスペースはなくなっていることになります。ストレスがある時に一番困るのが途中で忘れてしまうことです。色々な情報が、たくさん入れば入るほど、脳の負荷は高まります。そしてその度にやっていたことからの集中力を削がれることになるのです。戻った時に中断した地点を思い出せないことも多いものです。さらに酷いときには、そのものを忘れてしまうこともあります。このことは進行の遅れ、停滞、ひいては損失に繋がってしまうことになるのです。
脳と視野の関係
人がストレスを感じている時というのは、極端に視野が狭くなっています。ストレス事項に意識がフォーカスされるからです。これも脳との繋がりが大きいと言われています。視野が狭くなると発想も至極狭いものになってしまうのです。これは物理的な視野も狭くなることが分かっています。眼球の動きも狭まるのです。すると周りが見えない、空気が読めないということが発生してきます。一緒に働いている人たちへの配慮ができなくなってしまうのです。歯車の一部の自分の仕事にしか注意がいかなくなってしまいます。次第にチーム内での報連相の遅れや欠如など、コミュニケーションにも支障をきたすようになってきます。
ストレスがストレスを呼ぶ
このようにストレスはどんどん連鎖していくことを組織は理解し、的確な防御策を打っていく必要があります。とはいえ、働くのはメンバーなのです。ストレスについての教育も対策のひとつとして欠かせないものとなります。メンバーのセルフメンテナンス任せにするだけの時代ではなくなってきているようです。ストレスがどのように発生し、どのような影響を与えていくのかということを伝えていきます。自分視点でのストレスはメンバーも良く知っていて、解消法なども実践しているかもしれません。しかし、自分のストレスが周りに与える影響、業務への影響までよく見えている人というのは案外少ないものなのです。負のスパイラルに陥ってしまうと修復は組織を上げても難しいものになってきます。ストレスは、決して完全に避けられるものでは無いのですが、不快にしない心遣いを組織に浸透させるための教育は価値が大きいと言えるでしょう。